恋愛小説 ハロウィンの悪夢 3 R15

第三話  “脅迫”って知ってる?

 もちろんバスルームに引きづり込まれ抵抗しようとはした。した事はした。



でも
「そうだ、後で昨日の夜の写真見せてあげますね。」
の言葉に彼女は
『写真って、何の写真だよ!!』
今朝の自分の姿を見て目の前が真っ黒になり、やがて白く浮上した。この時思ったのは
『ガンジーになりたいなぁ。』
つまり、無抵抗主義。それでもって、正義は勝つのだと。でも彼の言う所の
『愛の法則は重力の様に働く』
事をすっかり忘れていたのは墓穴。性悪でも愛は愛。
 なすがままに体を洗ってもらい〜の、ボディクリームつけてもらい〜の。
「少し大きいけど。」
って彼にとっては最高に
“ツボ!!”
な膝上のナイトシャツを着せられた。
 温かい紅茶を受け取りながら、居心地の良いソファに彼女は丸くなっていた。見えない様にってさっきから何度もシャツの裾を引っ張る仕草に彼が
“それよそれっ!”
な満足笑いをしている事に気がつくはずも無く、
「“初めての女”
って面倒くさいって言うじゃない?色々有って。」
含みを持たせて毒を吐いた。
「あなた、マゾ?」
でも
「それ有りだね。」
って、むしろ
“今言ったそれってどっちのそれ?処女オッケー?それともどMって事?”
そんな混乱させる返事に目を白黒させた。それでもめげず
「ほら私、初めてだから。これからの事考えて一人に縛られる気ないし。」
「ああ、それだったら大丈夫。」
彼はまだまだ熱いはずの紅茶を器用に飲みながら
「もう僕は君に縛られてるから。」
危うくカップを取り落としそうになったのは彼女の方で。動揺を悟られたくなくてそっとカップをテーブルに戻し
「うち、父親厳しいから。つき合うとか言ったら不必要にうるさいよ。」
さぁ、これはどうよ?この手の遊んでる男は
“父親”
出して来るとひるむから。
「あ〜。」
市原は困った様に眉をひそめ
「明日挨拶に行くんじゃ遅いかなぁ?」
いや、ヤメてくれ。彼女の口の端がぴくっと痙攣し、かろうじて
「第一私の好み、あなたみたいなタイプじゃないし。」
ぷいっと横を向いた。
「そっかぁ。」
彼はさすがに気落ちした声で頭を振って、テーブルの上に手を伸ばした。
「じゃぁどういうタイプが好みなの?」
そりゃもう、と言いかけ振り向いた彼女はかろうじて
『げっ!』
と言わずに堪えた。そこにいた彼は縁なしの華奢な眼鏡をかけていて、ふわりとかかる前髪がとてもはかなく見えたから
『それです。いや、正にそれ。』
なんて、言えやしない。あんまり男臭くなくて、繊細な感じのする眼鏡の似合う男の人、なんて言えやしない。でもって言葉につまり逃げの一手で
「教えない。」
うつむく彼女に
「狡いよ。」
彼がづいっと近づいて思いっきり下から覗き込まれ
「僕はいくらでもあずささんの好みの男になってみせるよ。」
彼女の唇を
「ぺろんっ。」
舐めた。その上
「ひっ!」
ってシャツの襟元をかき合わせた跳ねたあずさを
「可愛い。やっぱ放したくないよ。」
って押し倒した。ついでに
「寝顔も可愛くて写真撮っちゃった。あっ、これ犯罪かな?」
彼女の抵抗を根こそぎ奪った。



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by hirose_na | 2008-11-03 14:52 | 恋愛小説