人には言えない! 11 最終話

11      確定下僕

「シナモンちゃ〜ん。」
御曹司はきびすを返し玄関脇の部屋へと向かい、



まるで自分の家かの様にドアを開け
「パパですよ、寂しかったですか?」
阿呆こいてそのミニチュアダックスフントを抱きかかえた。
「しばらく見ないうちに痩せたかな?3ヶ月も会っていなかったからね。ご飯はきちんと食べさせてもらえていたの?」
昨日の夜もその前も、馬鹿っ高い缶詰をあげたのはこの俺だ。だのにシナモンは俺には見せた事が無いってくらいしっぽ振っているし。だから犬は嫌いだね。
「いい子だね。コレからは一緒だよ。そうそう、ママの事、しっかり守っててくれてありがとうね。」
それからヤツは優花ちゃんに服の袖を引っ張られ、こっちを振り向いた。
「それじゃぁ、世話になったな。優花の荷物は来週中に俺のマンションに送ってくれればいいから。無理しないでくれ。」
なんて。
「いくぞ、優花。」
と、思いっきり横暴こいて嵐が部屋を去っていった。
 普通、お前が謝るんだろうが!!仮にも他人の花嫁、かすめてったんだぜ!?この、馬鹿御曹司やろうが!!周りに頭下げて謝るの、どうせ結局、俺にやらせようって思ってるだろうが。だったらせめて今ぐらいゴメンナサイしやがれっ!
 何だかはらわた煮えくり返っていたけど、背中に当たる温かいぬくもりで不意に我に帰った。
「ねぇ、あれって、本当?」
背中に子猫がすり寄った。
「私の事、本当に女として好きだった?」
もう、仕方ねぇから。
「ああっ。」
って。
「でも、ヤバいだろうが。お前14で俺が31の時だ。もう、駄目だろ、それ。絶対犯罪だし。俺刑務所なんか行きたくないし、それにお前の事傷つけるのも嫌だし。」
って、もう、全暴露。
「養われているって負い目で、俺の否定できないお前って悲しいし、でも俺、お前の事縛ってしまいそうだし。一緒になって、子供産んで欲しいって。そしたら学校だって、なぁ。そんな、いかんだろう。俺の所為でお前の将来、潰したくないよ。」
俺、格好悪っ。
「お前と一緒にいたらいい加減俺、壊れそうだった。」
すると少し笑った声がした。
「昨日みたいに?」
って。その音はさっき俺が一緒に暮らそうって行ったときとはまるで違って聞こえた。
「じゃぁさ、伊佐武ちゃんから言えないなら私からしてあげようか?」
「何を?」
「プロポーズ。」
って、え〜!?
「だって、さっきお前。」
思わず振り返り、ちょっと目を伏せながら笑う瞳を見た。
「俺がさっき、言ったじゃん、また一緒に暮らそうって。そしたらお前・・・・。」
「だって、違うよ。」
彼女は頭に引っかかっているお間抜けブラをそっと引き剥がした。
「伊佐武が言ったのは、責任とって一緒に暮らそうって言ったの。」
「それのどこが悪かった訳?」
「そうじゃん。」
そう言いながら、彼女は俺の胸に顔を埋めて、くいって頬ずりをした。
「普通さ、好きだから一緒に暮らそう、でしょう?伊佐武ちゃんが言ったのは“責任とって”だよ?全然意味違うし。」
だったらさ、言い直しますとも。それなのに
「好き!私と結婚して!」
って、瞳の方が叫んでた。
「一生、伊佐武ちゃんの事大事にするから。私と一緒になってよ!」
俺、先越されてるし。
「ねぇ、返事は?」
って。
「はい。」
俺、この子につかまったのね。凄く笑えた。
「謹んでお受けいたします。ふつつか者ですが、末永くよろしくね。」

 それでもって、後から気がついた。御曹司は俺の背中を押してくれたんだって。面倒な事は全部解決してくれて。 
 あ〜あ。これで俺は一生あいつに頭が上がらないって事だ。でも、いいか。
 もう少し我慢していたら。その時にはみんな俺たちの事祝福してくれるって希望が見えた気がしたからさ。
 それから10年後、20年後。子供達に甘酸っぱい俺たちの話しをしてあげられるかもしれない、からね。

               おしまい 

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天ノ川 に気をとられていて、滞っていました。
よく考えたら、伊佐武ちゃんの結婚式6月だったじゃん!
また季節違えちゃった。

でもとりあえず、ハッピーエンド♪

ちなみにここん家、子供は3人の予定です♪
伊佐武ちゃんは頑張って稼がないといけません。

   
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by hirose_na | 2008-07-18 12:44 | 恋愛小説