人には言えない! 9

 9   御曹司登場

 がんがんと叩かれるドアに辟易しながら、俺は嫌な予感的中と見た。
「はい、どなた・・・・」
『開けなさ〜い。加藤君。』
聞き覚えのあるその声は、開けて当たり前って言っていて。



ってか、何で昨日の今日でヤツが来る!?しかも朝まっぱらから!?まだ7時だよ!この、非常識野郎が!せめて電話とかよこしやがれ。だから金持ちは嫌いなんだ!なんて思いながらドアを開けた。すると当然って感じで
「悪いねぇ、加藤君。」
ちっとも思っちゃいない事を口にしながら、その男は悪びれる事無く平然と上がり込んだ。しかもどっかの韓国俳優みたいに、いやらしいほどさわやかな笑顔しやがって。事の起こりはお前なんだよ!
「ゴメンネ、加藤さん。」
その後ろで優花ちゃんが困った様に微笑んでいた。それ見てすぐに分かった。俺の花嫁かっさらって行った御曹司は、結局優花ちゃんと仲直りしたってね、ったく。もうこうなってくると、俺の方が波瀾万丈で、そのモト作りやがった男と言えばカエルの面に××かい?それからヤツは
「こいつの家族、引き取りに来たから。」
って、ずかずかリビングまで上がり込みやがった。って、だれだよ、優花ちゃんの家族って。それより
『ゴメンナサイ』
はないのか、この男の辞書に。慌てて後を追いかけと突然くるりと振り向いて
「君には世話になったと思ってるよ。でも、やり過ぎだ。僕の恋人が妊娠したからって、なに偉そうに責任とる振りなんかして。駄目だろ、そう言うの。秘書のくせに。越権って言うんだよ、肝に銘じて覚えておいてね。」
そう言って目を細めやがる。はいはい、あんた“御曹司様”だったね。とその時、かさっ。カーテンが揺れて・・・・。まじシルエット見えてるし。
 そこで御曹司、
「ヤルなぁ、加藤君。」
なんて言って、落ちているブラ摘んで、
「こんにちは。」
って・・・・・カーテン開けやがった!!
「やっ、やめっ」
てってば・・・・。
「くうっ。」
泣き出しそうな目の瞳がカーテンの端っこぎゅって握りしめながら顔を覗かせた。
「まじ、喰っちゃったんだぁ。」
って、ブラを彼女の目の高さまで上げやがって、見下ろして。
 この糞ガキが!!何様のつもりじゃい!!
 俺はクビを覚悟した。
「出て行きやがれ!いくら上司だからってな、人んち勝手に入って来やがって!挙げ句に何様だ!!」
そのケツに後ろからけりくらわしてやったさ。
「このぼんくら御曹司がっ!!」
倒れろ!
「うっ!」
ざまあみやがれ。
「瞳に手ぇ出すな!」
カーテンに背を向け、俺に瞳がしがみつくのが分かった。
「今までどれだけ大事に育てて来たって思ってんだ!」
ヤツはのろのろと立ち上がり、
「お前なぁ〜」
と唸った。
「人の恋人と偽装結婚しようとしたのはどこのどいつだよ?」
そういって、ぎらっと目を光らせた。

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by hirose_na | 2008-04-13 17:11 | 恋愛小説