人には言えない! 2

2  何でお前が来る訳?
 
 その晩面倒くさい事務手続きを済ませ俺が一息つけたのは夜10時を回っていた。



 親族への電話だろ、関係者各位へのお詫びの一斉メールだろ。教会への振込みも済ませて、レストランのキャンセルチャージ100%も支払った。大奮発して買ったダイヤの指輪も近いうちに返品すると電話もした。さすがにそれくれてやるほど俺は金持ちじゃないし。
 弩疲れた。
 新婚旅行のスケジュールをたてていなかったのが幸いって感じか。何しろ彼女は身重だったから。
 というか、御曹司が休暇取ってるのを狙って結婚しようと思ったのだから、それ以外に休みを取ろうものなら、こっそり結婚する予定がばれると思った。だから外したのに、どこから漏れた?身内の中に誰かスパイの存在感じたね。
 糞っ! 上手くいくはずだった。何もかもケリつけて。
 雑用は全部忘れ、もう、飲もう。俺は3分の早さでシャワーを済ませ、ソファをリクライニングに切り替える。最近引っ越したばかりで勝手が分からず指を挟んでしまうが、もう、力技だ。ごんっって音がしてスタンバイオッケー。酔いつぶれる心の準備もオッケーさ。
 乾ききった喉に、一杯。それから、可哀相な俺に、もう一杯。
「くうっ!」
全く、未練だった。
 彼女は淡いピンクのドレス。肩にはオーガンジーのストールを緩やかにかけて。
 ほっそりとした足がまっすぐ伸びて、すべすべした肌に思わず触れたいって思うほど。丸い肩は華奢で、首筋から顎のラインが妙に大人びていて眩しかった。
 多分この日の為にカールした髪。そのくるんって巻いたうなじがいやになるほどなまめかしくって。
 綺麗だった。
 34にもなる大人が、何やってるんだろうって、見惚れそうになり、罪悪感に苦しんだ。

 でもって、もう一杯。を半分飲みかけた時、
『ピンポーン』
マンションのインターホンが鳴った。
 出る気なんか無かったさ。それが
『ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン』
五月蝿い!!
 いいかげんにせいやっ! 怒りまくってドアを開けると、そこには
「ムカつくよね!!」
見慣れた少女が立っていた。手にはコンビニの袋。しかも吐く息が酒臭い。どこで飲んで来たんだ?
「伊佐武(いさむ)は人が良すぎるんだよ!」
明らかに飲んでいるのが分かるピンク色の肌。頭かかえたさ。
「勘弁してくれよ。」
思わず漏らし、追い出そうとすると
「ふっうん、もおっ。」
とか言って瞳は腰を抜かした様にへたり込み、
「絶対許すもんか、あの女!」
叫びだした。しかも何が入ってんだか、コンビニの袋を床に叩き付けてるし。
「ってたんだよ、未成年がっ。」
こんな所で要らない注目を浴びる訳にはいかないから。
「ったく、入れよ。」
って部屋に引き込んだ。
 厄介な夜になりそうだった。

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え〜、私事全開ですが、今日は結婚記念日でして♪
朝から張り切ってパイを焼いたまではいいのですが、
アーモンドクリームに肝心のアーモンドを入れるのを忘れて焼いてしまいました。
何だかおかしいとは思っていたんだよね〜。
こうなったら生クリームで誤摩化しちゃえっ!
これからの1年もきっとこんな調子なんだろうなぁ。

廣瀬でした。
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by hirose_na | 2008-06-10 15:02 | 恋愛小説