ホット・スパイス 玉の輿 1


はい、見切り発車の恋愛小説始めます。

本当にこれで大丈夫かなと思いつつ、
書きたいシーンだけはある。
それに向かって、いざ、突き進むべし!

恋愛コメディーの予定です。
とりあえず王道シリーズって事で。




1   王子 恋に落ちる

 ここは平和の国。アジョワン。常春で人柄も穏やか治安もよろしい。しかも大きな貿易港が有り、税率も低く、交易も良好。つまりはお金持ちってこと。農地こそ多くはない物の、森林や水にも恵まれ、国民一同幸せに暮らしていました。

 でもってこういう国の常として、色恋はどこに行ってもお盛んで。国王と女王様は最近の国民の乱れっぷりに頭を痛めておりました。といってもそれはほんの少しの悩み事。それより厄介だったのは、4人もいる王子達。
「あの。糞ガキが〜!!」
荒れる女王様をなだめるのが王様の仕事。何ともはや。

 一番上は最強トラブルメーカー。本音結婚したくないもんだから人妻狙いも甚だしく、いつでもどこでも修羅場展開図。しかも皆様大人だから笑って別れるある意味不気味な大大円。ってか、一番上がこれだから、国民が見習っちゃう訳よ。
 反対に次男は超のつく奥手。そのくせこの国一番のフィギュアドールの作り手で、生身の女性はてんで駄目。でも彼のモデルになりたいと詰めかける諸外国の美姫達は後を絶たず。出来れば上手い事玉の輿に乗ろうと画策するも、成功率ゼロ。で、ついたあだ名は“ 桜王子”
 三男は留学先のクミン王国ではめを外していると噂だし。これは今の所噂だけなので聞かなかった事にしているからまだ良い。
 でもってまだ10歳の末息子に至っては、侍女と一緒に風呂に入らせろと騒ぎだす始末。
「何で僕が自分で背中を洗わないといけないのかなぁ。第一年寄りは目が悪いから雑なんだよね〜。やっぱ若い娘じゃなきゃぁ。駄目だね。」
と。

 そんなある日の事でした。
 ベイリーフ殿下がオレガノ森林地帯をのんべんだらりとお散歩している時にそれは起きたのです。
 かさっ。ぼたっ。がぶっ。
「うぎゃぁあぁ〜〜〜!」
なんて事有りません。蛇に噛まれたんです。毒蛇に。
 そして気づいたぼろい家。梁むき出しの天井。ずきずきと痛む二の腕。思わず顔をしかめ起き上がろうとするそこを
「大丈夫かい、あんた?」
覗き込んだのは、こぼれんばかりの大きな瞳。その色はきらきらと光るブルーダイヤモンド。編み込んでほつれた金髪が淡い日差しに照らされて後光の様に光っているではありませんか。
 彼女の細い指先が、彼の腕に巻いていた包帯を手際よく外し、何か赤い物を乗せたかと思うと再び巻かれていきます。その心地良い事。たった今まで感じていた痛みがすっと引いていく様でした。
「まぁ、大丈夫だろ。じき楽になるから。」
 しかもその声の艶やかな事。それは王子にとって初めて知る麗しの響き。彼女は正に汚れ無き天使!
 フォール・イン・ラブ。愛の奇跡。これぞ運命!ベイリーフ王子の魂が叫びます。
「僕と結婚してください!」
すると彼女は可愛らしい首をかしげこう言いました。
「こいつ、落馬して打ち所悪かったんじゃねぇの?」
    
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by hirose_na | 2008-05-25 14:24 | 小説インデックス