Left Alone 修羅場バージョン 3

修羅場 その3 です。

この次のアップになりますが、
こちらでしか出てこない基の本音も有ります。





Left Alone vol .26 second 3

「それが、本心なのか。」
その声は想像していたよりも落ち着いていて。
「ご免。」
ただそう頷いていた。
 分かってもらえる。そう思った。
 泣き出しそうな彼の目が俺を見つめていた。
「お前とは親友だって。ほんと、それだけは絶対だから。」
ようやっとそう言えた。
 男と女の愛情以上に大事な事が有っちゃ、駄目?
 肇の事、愛していて。でも、それとは別に、基は親友で、掛替えの無い友人で。
「ご免。」
謝る俺の首筋に基の指が掛かった。
「俺じゃ、駄目だった?」
頷く俺に、彼はうっすらと笑い。
「そうか、俺じゃ駄目だったか。」
肩を落としかけ、指先を止めた。
「?」
誤摩化しきれると思っていたのに。はがされる絆創膏がぺりぺりって乾いた音を立てた。
「なに、これ。」
そう聞く彼の声は、キスマークだって分かっていて。目を見開く基の表情がこわばっていた。
 俺は基にキスマークを許した事が無かった。何かの拍子に絵里子さんにばれて心配させるのが嫌だったから。
 だから、そう言う事だって、言ってしまいたかった。俺が愛しているのは特別な人なんだって。でも俺の舌は張り付いていて。
 ヤツの両手が俺の胸元に掛かり、紙でも引き裂くかの様にシャツが千切られ、飛び散ったぼたんが俺の頬をかすめた。
 兄貴が付けたキスマーク。俺は慌ててそれを隠していた。肌を見られる事が恥ずかしいんじゃない。今更だ。それよりも、兄貴と交わした愛を覗かれる様で嫌だった。
「だから、だからっ!」
なんて言えば良かった?もう、お終いにしたかった。
「俺が悪かった?」
不意に彼が迫って来た。
「俺が放っておいたから?俺が構わなくなったから?寂しかった?一人が嫌だった?全部、俺の所為?なぁ、ゆうり。」
その声の甘さが嫌だった。
「俺がさ、悪いの?こんなに愛しているのに?俺、お前に応えようとしてたんだぜ。それなのに。これって、変だよ。」
じりっじりっと、逃げ場が無く。
「考え直せよ。」
ソファに体を投げ出すみたいになってしまって、真上から基が降って来た。
「何でだよ。気持ちよかったろ?俺に抱かれて。俺の中で女になったんじゃねぇの?」
だから!!それが嫌だったんじゃないか!
「やり直そう、な?俺の事、思い出させてやるから。」
 抵抗しようとしたその手を押さえつけられ、乱暴としか言いようが無いキスが俺に襲いかかって来た。
「いっ、嫌だ。止めろよ、基。」
この時の俺はまだ何とかなるって思っていた。
「正気に戻れよ。」
そうすれば何もかも元通りって。
「正気だよ。」
でも、顔を上げた彼の目がギラギラと光っている事に気づき、手遅れだって思い知らされた。
「俺だって、我慢して来た。二人の為だって耐えて来たんだ、なぁ、それなのに、何で今更裏切るんだよ。」
そう言うと無造作に俺のシャツの下の素肌に頭を押し込んで来た。抵抗しはだけられる胸元に。
「・・・・畜生!!」
それは地の底を這うような声だった。
 丁度心臓の上だった。そこには兄貴が付けた所有の印が燦然と散らばっていて。
 逃げようとした。必死だった。でも彼の力には敵わず、足掻けば足掻くほどとらわれていくようで。
 気がつけば腰の上でがっちりと押さえ込まれていた。
                
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by hirose_na | 2008-04-22 15:58 | H の独り言