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恋愛小説♥パーティーナイトの悪夢

♥ あらすじ ♥

一部上場企業に勤め、順調な暮らしをしていたはずの
月誉野満(つきよのみつる)
それが数年前、ベンチャー企業の立ち上げスタッフに引き抜かれ
以来働き詰めの毎日で。
夢や希望が色あせ、
それでも日々の生活に満足しようとしていた彼女に、
ある日パーティーのお誘いが舞い込んで来て……

★ メイベリンニューヨーク様から
 ご招待いだいたパーティーをネタに 
 書いています 
 感謝の意味を込め ♪
 下線部 沢山リンクが有ります。
 お見苦しい点、ご了承ください ★



注意!!
  これはフィクションです
  実名&リンク(アンダーライン部)が出てきますが、
  全て関係はありません!!


1 メルセデスベンツ・ファッションウィーク・東京

 その週末も、
彼女にとってはいつもと変わらない週末になる予定だった。
 持ち越すしか無いと匙を投げた残業の山。
パソコンに貼るなと何度言っても繰り返される、
ありがたくもないメッセージの書かれたポストイット。
絶対徹夜で会社にだべっている気だろうなって感じの
将来を熱く語り合っている
若いんだかお気楽なんだか分からない同僚達に
「お先に」
と声をかけ、
「今日も有り難うございました」
の声を聞き。
 静かにエレベーターを待つあいだ、携帯のメールをチェックする。
ここを抜ければ後は自分の時間だ。
 まず、帰り道のスーパーで、牛乳とシリアルとヨーグルトの買い足しをし、
今晩の夕ご飯を買う。
夜は一緒に過ごす事の無くなった彼氏を忘れ、
お気に入りの海外ドラマに一人マッコリ。
ため息と涙と現実逃避。
 でも、それでも悪くないと月誉野満(つきよのみつる)は思っていた。
なにしろ、仕事があって、正社員で、しかもそれなりに元気だ。
こんな世の中で必要以上に臨むなんて罰が当たる。
だから高望みもしないし、冒険もしない。
精一杯のチャレンジは、
ドラックストアの店頭に並んだ発売されたばかりのシートマスクを試してみる事ぐらいだった。
 その運命を変えたのは
“【当選のご案内】
Mercedes-Benz Fashion Week TOKYO Closing Partyへご招待”
の文字が輝く一通のメールだった。
「あっ、当たってる?」
それは明日の土曜の夜に行われる
"メルセデスベンツ・ファッションウィーク・東京”
のクローズド・パーティーへの招待状だった。
しかも
「何これ? 当選おめでとうございます。
“つきましては、お手元に届いた招待状と宛名の書かれた封筒はご一緒にお持ちください”
って……」
まるで心当たりが無かった。
というか、確かにプレゼントに応募した覚えはある。
いつも使っている ミネラルベースファンデーション のウェブページから
それらしきものに何となく応募したはずだった。
確か六本木で行われる最大級のコレクション発表会があって、
そのスポンサーになっている メルセデスベンツ
メイベリン・ニューヨーク が主催する、
サイトを見ただけでもド派手な事が一目瞭然な閉会パーティーだ。
行けたら行ってみたいな〜ってレベルの雲の上のパーティー。
でも、招待状を受け取った記憶は無く。
「どうしよう、これ」
彼女は到着したエレベーターの前で戸惑った。
やはり、行かない時には行かないと返事をしなければいけないだろうし、どうしよう、と。
 なにしろ服が無い。
羽振りのいいIT関連の企業に勤めているからこそいつも裏方で、
黒いスーツに黒いヒールの雑用係を任される事が多かった。
当然、パーティーバックも無いし、
手入れを怠っている髪ではスタイルの決めようも無い。
それに、パーティーに慣れていなく、退屈するのは目に見えていた。
シンデレラなるなんて、夢を見ている時が一番楽しいものだ。
「−−−ご招待状がまだ届いていないので、ご辞退します」
シンプルに、さらっと打ち込み送信し、
彼女を地上に降ろしてくれるエレベーターに乗り込んだ。
 そしてエントランスを抜ける頃
「えっ、嘘! 早っ」
それはパーティーオフィスからに丁寧な返答で。
“大変失礼をしました”
を繰り返していた。
“パーティーの詳細を送りますので、
入場の際にはこの画面を係のものにお見せください。
月誉野様のお越しを心よりお待ちしています”
その文面に、担当スタッフがどれだけ焦って返信をしてきたのが分かるから。
「……行かないと悪いかな」
彼女は立ち止まり、しばらく考え込んでしまった。
 一人で行くのは寂しすぎるし、まずその度胸が無い。
それならいっその事、誰かを誘って駄目だったらそれまでにすればいい。
 なんて簡単な選択肢。月誉野はにっこりと笑って携帯を打つ。
“進藤ちゃん、明日の夜、暇?”
進藤ちゃんは27歳の今年会社に入ったスタッフで、
月誉野とはたった二歳しか違わないのに、見た目年齢はめっちゃ違って見える女の子。
高い身長に長い足。ひたすら ロングな睫毛 と、ジューシーなピンク・グロス
奥行きのあるぱっちりお目目、ショートパンツにニーソックス。
 こんな正反対の二人が仲良しなのは、多分水と油ほど性格が違う所為。
違うからこそ上手くいく事も多い。
 そんなイケてる進藤ちゃんが一緒だったら、色々頼りになるに違いないと月誉野は考えた。
それに、もしかしたら、というか高い確率で週末の予定は入っているに違いないから、このささやかな賭けは
“行かなくてもいい“
と札が出ると感じていて……。
軽い打算を胸に、メールを続ける。
“午後6時から六本木。
メイベリンとベンツ主催のパーティーチケットが当たったんだけど、
一緒に行かない?
お金はかからないよ”
絵文字のない簡潔な文章、送信。
 だが月誉野満29歳の思惑は外れる事になる。
たった数分後に届いた返信は
“絶対行きます! メイベリンもベンツも大好きっす!!”
!の文字が踊っていて。
 そしてパーティーナイトが始まる事になる。



            つづく



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by hirose_na | 2011-10-24 16:18 | 恋愛小説