尊敬できる人

ずっと尊敬していた 多田富雄先生が亡くなりました。

ご冥福をお祈りします。



多田先生のご専門は免疫学なのですが、
日本で生命科学を齧っている人だったら必ずと言っていいほど知っているといわれている人です。

私自身は全く面識は無いのですが、
その著書やテレビを通じて憧れ、尊敬していました。

特に、脳内出血をし、右半身麻痺の状態でのご活躍は
本当に頭が下がりました。

以前NHKが病後のドキュメンタリーを組んだ番組を拝見したのですが、
そのときに麻痺した側の口の端から涎を垂らし、
一見すると人としての尊厳が失われた様な姿であるにもかかわらず、
先生の口から発せられる明確な意志を持つ言葉に
心を打たれました。

ぶれない心で、物事の本質を求める人だと感じました。

先生のようになりたいというのはあまりにもおこがましいのですが、
目標とする人がいて、その人に少しでも近づけるように生きていきたいと思う気持ちは
私自身を生きやすくさせてくれます。

少し話は変わりますが、今しばらく
桜ノ宵ニ
の書き直しをしていました。
(本当は二月中に終わらせると宣言しておきながら、ご免なさい)
このお話には、主人公が自分の心情を能面に例える、という部分が有ります。
その一文
『本当は人になって求められたい。互いに与え合い、温かく。
 それができずに、鬼面になる。
 野獣になれば、感情を恥ずかしいだなんて思わずに済むのだから
ここは特に書きたかった言葉でした。
この心内を表現するために能面を使おうと思ったのは、
完全に多田先生の影響でした。
多田先生は能楽にも長けており、作品の発表もされていらっしゃいました。
もともと私は舞台や古典芸能が好きだったので、
それに通じていらっしゃるという点でも
多田先生は
『凄い人だ!』
なのでした。

「惜しい人を亡くした」
と言うのは、とても容易いと思います。
惜しくない人って本来いないですしね。
ですから心の中でご冥福を祈りながら、
先生が持っていた志がどこかで引き継がれ、
再び芽吹く事をこの世の中に期待したいなぁ、と
そう思います。


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by hirose_na | 2010-04-22 23:55 | Life !