都心の快楽

昨夜は 加古隆さん のピアノコンサートを楽しんできました。
もちろん旦那と二人。子供達お留守番♪



こんな時、高いお金を払って首都圏近郊に住んでいるメリットを感じます。

東京オペラシティ はアーバンリゾート だなぁ、と。

別にみどりが多いって言う事では有りません。
ですが空間を上手く作っていて、風が吹き抜け、
昨日の様な晴れた日には空を見上げると
ルネマグリットの様な“切り取られた空”を楽しめます。

これは自然のありのままの完璧な美しさとは対照的に
人間が自然に憧れるからこそ出来上がった人工空間という
特殊性を持ち、
都会 = アーバン ならではの景観だと思いました。

さて、駅からオペラシティまではほぼ直結です。
案内も道もとても分かりやすく
広く作られ歩きやすかったです。
その“ゆったリ感”“親切心”に
私が憧れる
“都会らしい洗練された雰囲気”
を感じて来ました。
学生時代は上野近辺で過ごしていました。
あそこは東北の人間がもつ
“東京臭さ”
でにぎわっていて、
銀座や渋谷は日本全国でイメージできる
“東京”
だと思います。
新宿も然り。
テレビや雑誌で見かけるリアルで普通の東京。
そしてこのオペラシティは
“日本人だったら東京がこうあって欲しい”
と思う様な東京だと感じました。
洗練されていて、上品で。でも偉ぶらず。

東京ミットダウンとの違いは
“商業性”
です。
ミッドタウンは全てのベクトルが商業活動へと向く様に設えてあると感じます。
消費活動を活発化させる感じ。
もちろん遊びに行く方もソレがお目当てで、常にお金がつきまといます。
ですがこちらは
“目に見えない投資”
“商業だけを目的としない、回収率の悪い投資”
が沢山されていて、とても商業的では無いと感じました。
国立博物館や美術館のような居住まいです。

植物などが有る訳でもなく、めぼしいショップが有る訳でもなく。
でもぶらぶらと歩いていて楽しいの。

このような場所が遊びのフィールドだということは
我ながら凄いなぁ、そう思って来ました♪


肝心の加古さんのコンサート。

文句無しに加古さんは加古さんでした。

テクニックだけで言うのだったら、
それ以上にピアノを弾ける方は沢山いるのだと思います。
でも加古さんの音は加古さんしか出せませんから。
同じ旋律を似た様な解釈で弾いたとしても、
それはまるで違うお品物だと感じると思います。

今回のコンサートで感じた大きな点について書かせてくださいね。
加古さんの曲は、それぞれが似ているけど違うと言う事。
当たり前? 

いえね、作曲するのが加古さんで、演じるのも加古さんだから
メロディーラインなどに 癖 が有るのです。
これは小説でもマンガでもあると思うのですが、
“どこかが似てしまう”
のはありがちだと思います。
たとえば、マンガで言えば あだち充さん さいとうちほさん。
主人公の絵、似ていませんか?
(私はキャラクターを顔や体型だけで判断できないのです)
 またそれが良いとか悪いという事ではありません)

加古さんの曲から受けるイメージはいつも
“自然界の大きな流れ。そしてその中に位置する芥子の実大の人間”
だったりします。
ですからこのように例えるのですが、
“木”
と言っても様々な木が有ります。
桜・柳・青竹・老松
その全ては同じ木で有りながら私達は常にそれを
“違うもの”
として認識すると思うのです。
雨。
雨と言っても色々有りまして。
2月の氷雨。初夏の梅雨。
台風と一緒に吹き付ける強い雨。
光差し込む空から降りて来る通り雨。
全て同じ雨なのに、そこから受ける印象はまるで違うと思います。

そのような
“同じだけど違う事”
“分類的には同じでも、心は違う受け取るものが有る”
こんな事を加古さんの曲から感じて来ました。

それにしても、加古さんの音を聞くと
自分が感情を持つ必要が無いと感じると言うか、
無になる感じです。
私という存在は、水であって空気。
宇宙と言う規模では
“居なくてもいい”
存在だと思います。
じゃあどのような瞬間に
“居なくてはいけない存在”
になるかという事を考えて、
“それは誰かに欲されたときだ”
と考えて来ました。
こうなると、人間の価値というのはその人の意志にあるというよりは
他人と言う存在があっての事かもしれないなぁ、等と考えたりもします。

さてさて、
加古さんにとっても私にとっても初めての ♪ 東京オベラシティ・ホール
1階席15列ほぼフロントで聴いて来ました。
ステージの上の音はそこに上手くまとまっている感じでした。
ですがさすがに会場のノイズ(席や身じろぐ音)を正確に拾うので、
そこが気になりました。
また、今回は完全にピアノソロだったので、
ホールがもう少し小さいサロン的な作りの方が
曲的にはあっているかもしれない気がしました。

ただ、二部の クレー に関しては面白かったです。
この作品では左手で弦を上から押さえながら
右手で鍵盤を叩き音を出しています。
(というか、その様に御見受けしました)
するとその音がピアノから立ち昇り、そこに留まっているんです。
“残響”
というのでしょうか。その響きはまるで
“芳香”
のようでした。
風の様に通り過ぎる音ではなく、
そこに存在する
“香り”

“目に”
見えている。そのような錯覚が頭の中で起こっている感じでした。
この情感は実に面白かったです。

ホールそのものは三階まであって、吹き抜けた感じです。
休憩の間に二階・三階まで上がって印象を見て来ました♪
好きな演目や、好きな演じ手に合わせ、
色々興味深い角度で見れる作りになっていて感動。
二階席は
舞台全体を見るにのとても良い印象で、
三階席は
舞台と一階の会場の反応を含めて上演作品を感じるのに適しているのではないでしょうか。
二重になった、私だと両手じゃないと開かない程思い防音扉も良かったです。
ホール両サイドの細長い席の出入り用に、その外側にきちんとした通路が細長くあって
その通路にも沢山の扉がきちんとつけられていて、
実に親切な作りになっていると思いました。
その扉が並んでいる状態は、
日本というよりヨーロッパの劇場にいるみたいです。
(他のコンサートホールはシネコンの出入り口みたいだと思いませんか?)

さぁ、また来年。
行きたいですね。


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by hirose_na | 2009-07-21 12:05 | Life !